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『すずめの戸締まり』のあらすじを徹底解説!映画の魅力を深掘り

※本ページはプロモーションが含まれています。

新海誠監督の最新作、すずめの戸締まりのあらすじについて検索している皆様へ。

この作品は、これまで新海誠監督が制作してきた作品で最も『災害』というテーマに正面から向き合っており、災害をテーマにして描いた理由には監督の強い思いが込められています。

物語の舞台は日本各地に広がり、魅力あふれる登場人物たちが織りなすストーリーはどんな話なのか、そして彼らの関係がどのように展開するのかをわかりやすく整理しています。

この映画には見どころや楽しみ方のポイントが随所に散りばめられており、謎めいた猫『ダイジン』の正体や聖地巡礼に最適な名所などもファンを惹きつけています。

さらに、一部で『作品を最後まで観たけど、意味がわからない』と言われる理由についても触れ、映画での謎を文庫本で解決できるのかなど、すずめの戸締まりをもっと楽しむ事前情報をお届けします。

作品の感想やレビューに加え、どこの配信サイトで見れるのかといった情報まで、この記事を読めば作品がもっと好きになるはずです。

この記事で知る事が出来る内容

  • 映画のあらすじと物語の背景を詳しく理解できる
  • 登場人物の魅力や関係性を把握できる
  • 作品の深いテーマや監督の意図を考察できる
  • 映画の舞台となった場所や関連情報を知ることができる

 

映画『すずめの戸締まり』あらすじを簡単に解説

↑イメージ:マンガ&小説Navi作成

  • どんな話?あらすじをチェック
  • 物語の舞台とモデルになった場所
  • 東日本大震災を描いた理由
  • 登場人物(キャラクター)の魅力
  • 登場人物の関係をわかりやすく整理
  • ダイジンの正体とは?
  • 聖地巡礼で訪れたい名所

 

どんな話?あらすじをチェック

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新海誠監督の『すずめの戸締まり』は、日本各地の廃墟に点在する災いの出口『扉』を探している青年との出逢いをきっかけに、扉を閉じるべく旅をしていく少女の成長を描くロードムービーです。

物語は、宮崎県の静かな町で叔母と暮らす17歳の女子高校生、岩戸鈴芽(すずめ)が不思議な夢を見る場面から始まります。その夢の中で、幼い鈴芽は母親を探し、廃墟の町をさまよっていました。

ある日、鈴芽は廃墟を探している青年、宗像草太と出会います。彼を追って廃墟へと入っていくと、そこにはぽつんと放置された古い扉がありました。鈴芽が何かに引き寄せられるように扉に手を伸ばすと、扉の向こうには広い草原と全ての時間が混ざりあった空が広がっていました。

しかし、その扉から災いがやってくることを知った鈴芽は、草太と共に扉を閉める「戸締まりの旅」に出ます。この旅の途中で、鈴芽が要石(かなめいし)を抜いてしまったことで猫の姿をした『ダイジン』が現れ、草太を椅子の姿に変えてしまいます。
※要石とは、災いを引き起こす"ミミズ"を封印する為の石です。

鈴芽は椅子となった草太と共にダイジンを追い、日本各地で開いてしまう災いの扉『後ろ戸』を閉じることになります。

物語の舞台とモデルになった場所

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物語は九州から始まり、愛媛、兵庫、東京、そして東北へと舞台を移しながら進みます。

新海誠監督は、これらの舞台となる場所のリアリティを追求するため、実際に各地への取材を行いました。これにより、映画に登場する風景は非常に緻密に美しく描かれ、観客に強い印象を与えています。

例えば、物語冒頭の舞台である宮崎県は、日向神話の始まりの場所であることから選ばれたと言われています。

鈴芽が草太と出会う通学路の港は日南市の油津港がモデルとされており、最初の戸締まりの場所は、大分県の旧豊後森機関庫がキービジュアルにも登場する印象的な場所として描かれています。

愛媛県では八幡浜港や八幡浜駅、旧ターミナルが、兵庫県では明石海峡大橋や東山商店街、神戸おとぎの国などが登場します。特に神戸は、阪神淡路大震災を乗り越えた街であることから、震災というテーマを扱う上で重要な意味合いを持っています。

東京では、草太のアパート最寄り駅である御茶ノ水駅周辺や、災いの象徴として描かれている『ミミズ』が出現する聖橋、ダイジンが目撃される浅草寺の雷門などが描かれています。

そして最終的にたどり着く東北地方では、道の駅大谷海岸や織笠駅が、東日本大震災からの復興を象徴する場所として登場します。これらの実在の場所が物語に深みを与え、観客が作品の世界に没入する手助けをしていることは間違いありません。

東日本大震災を描いた理由

新海誠監督は、これまでの作品『君の名は。』や『天気の子』においても災害をテーマとして間接的に描いてきました。

しかし、『すずめの戸締まり』では、東日本大震災をより直接的に取り上げています。監督は完成報告記者会見で「観客の多くは10歳代で、共通体験としての震災が薄くなっている。でも今なら同じ気持ちを共有できるかもしれない」とその思いを語っています。

震災から10年以上が経過し、震災を「経験」ではなく「知識」として捉える世代が増えています。だからこそ、今この映画を作る必要があったと監督は考えています。

物語の主人公である鈴芽自身が震災の被災者であり、その経験が彼女の死生観に大きな影響を与えています。例えば、草太の祖父との会話で鈴芽が「生きるか死ぬかなんてただの運」と語る場面は、震災が彼女に与えた影響の大きさを物語っています。

監督は、地方での過疎化が進み、かつての賑わいが失われた場所が増えたことを実感しており、そうした「終わる」場所を悼み、鎮める物語を作りたかったと述べています。これは、震災によって失われた多くの命や暮らしに対する追悼の意も込められています。

作中に登場する緊急地震速報のアラート音や地鳴りの描写は、当時の記憶を呼び起こすほどにリアルであり、一部で批判の声も上がりましたが、監督の「大切なものを、一瞬で消してしまったあの日を忘れてはならない」という確固たるメッセージが込められています。

この作品は、これから生まれてくる震災を知らない世代にも、その記憶を受け継いでいくための重要な役割を担っていると言えるでしょう。

登場人物(キャラクター)の魅力

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『すずめの戸締まり』に登場するキャラクターたちは、それぞれが独自の背景や魅力を持ち、物語に深みを与えています。

  • 岩戸 鈴芽(いわと すずめ): 宮崎県に住む17歳の女子高校生で、本作の主人公です。幼い頃に母親を亡くし、叔母の環と二人で暮らしています。

    母の形見である脚が一本欠けた椅子を大切にしており、これが物語の鍵となります。天真爛漫な一方で、震災を経験したことで死生観について深く考える一面も持ち合わせています。

  • 宗像 草太(むなかた そうた): 「閉じ師」として日本各地の扉を閉める旅をしている青年です。教育学部に在籍しており、教師を目指しています。

    偶然の出会いから鈴芽と行動を共にすることになりますが、ダイジンの力によって鈴芽の椅子に姿を変えられてしまいます。優しく正義感が強い性格で、自己犠牲もいとわない姿が印象的です。

  • ダイジン: 人間の言葉を話す白い子猫の姿をした神獣です。元々は西の要石であり、鈴芽に封印を解かれたことで自由の身となります。

    鈴芽に懐き、草太を椅子に変えてしまうという行動に出ますが、その行動の裏には純粋な好意と、再び要石になりたいという切ない願いが隠されています。SNS上で「ダイジン」という愛称で親しまれ、多くの人々に目撃される存在です。

  • 岩戸 環(いわと たまき): 鈴芽の叔母で、漁協で働いています。幼い鈴芽を引き取り育ててきましたが、非常に過保護な一面があり、鈴芽との間に複雑な感情を抱えています。

    RADWIMPSの楽曲「TAMAKI」でも表現されているように、鈴芽が自分から可能性を奪った憎むべき相手であると同時に、生きていくための希望でもあったという愛憎入り混じった心情が描かれています。

  • 芹澤 朋也(せりざわ ともや): 草太の友人であり、彼と同じく教師を目指す大学生です。口は悪いものの、友達思いで、草太の行方を心配して行動を共にします。

    彼の登場により、物語にユーモラスな要素が加わり、シリアスな展開の中での息抜きとなっています。

他にも、愛媛で出会う活発な少女の海部千果(あまべ ちか)や、神戸のスナックのママである二ノ宮ルミ(にのみや ルミ)など、鈴芽の旅路を支える魅力的なサブキャラクターたちが多数登場します。彼らとの出会いが、鈴芽の成長に大きく貢献していることは明らかです。

登場人物の関係をわかりやすく整理

『すずめの戸締まり』に登場する主要な人物たちの関係性は、物語の深いテーマを理解する上で非常に重要です。

  • 岩戸鈴芽と岩戸環: 鈴芽は幼い頃に母親を亡くし、叔母である環に引き取られて育ちました。環は鈴芽の育ての親であり、鈴芽も環を家族として大切に思っています。しかし、環は「本当の親」ではないという意識から鈴芽に対して過保護になりがちで、鈴芽も環に「幼い自分が環の人生を邪魔したのではないか?」という罪悪感を抱いています。

    この複雑な関係性は、表面的な言葉では語られない心の溝として描かれており、物語後半の衝突と和解を通じて深まります。前述の通り、RADWIMPSの楽曲「TAMAKI」では、環の鈴芽に対する愛憎が入り混じった感情が表現されています。

  • 岩戸鈴芽と宗像草太: 鈴芽と草太は、扉を閉じる「閉じ師」としての使命を通じて出会い、行動を共にします。最初は互いに戸惑いながらも、共にミミズを封じる旅を続ける中で、互いを信頼し、強い絆を育んでいきます。

    草太が椅子に変えられてしまうことで、二人の関係は物理的な形態を超えたものとなり、鈴芽は草太を救うために奔走します。恋愛感情とは異なる、魂の繋がりとも言える関係性が描かれています。

  • 岩戸鈴芽とダイジン: 鈴芽が要石を抜いたことから、ダイジンは猫の姿で自由の身となります。鈴芽が「うちの子になる?」と声をかけたことで、ダイジンは鈴芽に懐きますが、草太を椅子に変えるなど、時に鈴芽を翻弄します。

    ダイジンの行動は一見身勝手に見えますが、その根底には「鈴芽に愛されたい」「鈴芽のために役立ちたい」という純粋な願いがあります。

    前述の通り、ダイジンは幼い頃の鈴芽の無邪気さや無意識の行動とシンクロするキャラクターとして描かれており、鈴芽が環との関係で経験した複雑な感情を追体験する象徴的な存在でもあります。

  • ダイジンとサダイジン: ダイジンとサダイジンは、日本列島の東西に存在する二つの要石です。ダイジンが西の要石、サダイジンが東の要石として、ミミズの動きを封じてきました。

    物語の終盤でサダイジンが登場し、ダイジンと共にミミズを鎮める重要な役割を担います。二匹の猫神は、古くからの神話的な存在として、人間の世界を陰で支える役割を担っていることが示唆されています。

  • 宗像草太と宗像羊朗(むなかた ひつじろう): 草太は「閉じ師」の家業を継ぐ者であり、羊朗はその師匠である祖父です。羊朗は草太に閉じ師としての知識と技術を伝え、彼を導く存在です。

    草太が要石となってしまった後、鈴芽は羊朗のもとを訪れ、草太を救う方法を探ります。羊朗の言葉は、閉じ師の歴史と役割の重さを物語っています。

これらの関係性は、単なる人物相関図に留まらず、物語全体を支える感情の機微やテーマを深く掘り下げる役割を果たしています。

ダイジンの正体とは?

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ダイジンは、可愛らしい白い子猫の姿をしていますが、その正体は鈴芽が宮崎県の廃墟で誤って引き抜いてしまった「要石」です。要石とは、日本列島の下をうごめく巨大な力であるミミズを封じ込める役割を担う重しで、日本の東西に一つずつ存在するとされています。

ダイジンは西の要石であり、もう一体の要石が、東京にいるサダイジンです。

ダイジンは、鈴芽に「うちの子になる?」と声をかけられ、その優しさに触れて鈴芽に懐きます。しかし、要石としての役割から解放されたことで、その役割が草太に移ってしまうことになります。

ダイジンの行動は、一見すると草太を邪魔者扱いしているように見えますが、その根底には「鈴芽に好かれたい」「鈴芽のために役立ちたい」という純粋な願いがあります。彼は、自らが要石に戻ることで鈴芽を助けようと、草太を要石の役割を果たす場所へと導いていました。

ダイジンがなぜ猫の姿をしているのかについては、複数の考察があります。

一つは、新海誠監督が猫好きであること。

もう一つは、古来より猫が異世界への案内役や神聖な動物として信仰されてきた歴史があること。さらに、地震を起こす大鯰(ナマズ)の天敵である猫が、地震を鎮める役割を持つ要石として描かれているという説もあります。

また、ダイジンが要石になる前は人間だったのではないかという考察もあります。作中に登場する古文書には、嘉永7年の大地震の際に、被災地の震災遺児が閉じ師に要石の役割を申し出て、「白き右大臣」と呼ばれる新たな要石になったという逸話が遺されているとされています。

このことから、ダイジンはもともと人間であり、熊本地震を止めるために要石となったのではないかという推測も立てられています。

ダイジンは物語の進行において重要な役割を果たし、最終的には自らの意志で再び要石に戻り、ミミズを鎮めることに貢献します。彼の存在は、自己犠牲と愛情、そして孤独と役割の葛藤を象徴していると言えるでしょう。

聖地巡礼で訪れたい名所

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『すずめの戸締まり』は、日本各地の実在する場所をモデルにした風景が多数登場し、公開後には「聖地巡礼」が大きな話題となりました。映画の舞台を実際に訪れることで、作品の世界観をより深く体験できます。

九州地方

  • 油津港(宮崎県): 鈴芽と草太が出会う通学路の港のモデルとされています。
  • 旧豊後森機関庫(大分県): 鈴芽が最初の戸締まりをする場所で、扇形の機関庫が印象的な風景です。
  • 杖立温泉、天ヶ瀬温泉、湯平温泉(大分県、熊本県): 温泉街の廃墟「門波リゾート」のモデルになったと言われています。
  • 佐賀関港、九四オレンジフェリー、スオーナダフェリー(大分県): 鈴芽たちが四国へ渡るために利用したフェリーとその港のモデルです。

四国地方

  • 八幡浜港、八幡浜駅、伊予大洲駅、下灘駅、関川駅(愛媛県): 鈴芽たちがダイジンを追いかけて旅をする途中で立ち寄る駅や港です。
  • 大谷池(愛媛県): 千果と出会うシーンに登場する池のモデルです。
  • 室戸スカイライン(高知県): 鈴芽の通学路のモデルとして有力視されています。
  • 第1吉野川橋梁、大鳴門橋(徳島県): 神戸へ向かう途中に通る橋のモデルです。

関西地方

  • 明石海峡大橋(兵庫県): ダイジンが渡る姿がニュースで流れ、鈴芽たちが目指す場所です。
  • 東山商店街、二宮商店街(兵庫県): ルミが経営するスナック「はぁばぁ」がある商店街のモデルです。
  • 鷲羽山ハイランド(岡山県): 廃墟の遊園地へ向かう坂道のモデルとされています。
  • 神戸おとぎの国(兵庫県): 廃墟の遊園地「神戸ゆめの国」のモデルとなった場所です。
  • 六甲山(兵庫県): 遊園地から見える夜景のモデルとされています。
  • 新神戸駅(兵庫県): 東京へ向かう新幹線に乗り込んだ駅です。

関東地方

  • 東京駅、御茶ノ水駅周辺、聖橋(東京都): 草太のアパート最寄り駅や、ミミズが出現するトンネルのモデルです。
  • 浅草寺 雷門、バスタ新宿、新宿エルタワー、渋谷駅、秋葉原、お台場海浜公園、牛ヶ淵、順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都): 東京でのミミズ騒動や、草太の祖父が入院する病院など、様々なシーンのモデルです。

東北地方

  • 道の駅 大谷海岸(宮城県): 旅の途中で立ち寄るレストランのモデルであり、震災からの復興を象徴する場所です。
  • 織笠駅(岩手県): 物語のラストシーンに登場する駅で、東日本大震災で流された後、移転・再建されました。

これらの場所を訪れる際には、地元の方々の生活に配慮し、マナーを守って聖地巡礼を楽しむことが重要ですます。


『すずめの戸締まり』あらすじから深まる作品の魅力

  • 見どころと楽しみ方、ポイント
  • 作品の感想とレビュー
  • 一部で「意味がわからない」と言われる理由は?
  • 映画での謎は文庫本で解決
  • 配信サイトはどこで見れる?
  • 『すずめの戸締まり』あらすじまとめ

見どころと楽しみ方、ポイント

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『すずめの戸締まり』には、観客が作品をより深く楽しめる多くの見どころとポイントがあります。

新海誠ワールド全開の美しい映像美

新海誠監督作品の代名詞ともいえる、圧倒的な映像美は本作でも健在です。現実世界の日本各地の風景が繊細なタッチで描かれ、スクリーンいっぱいに広がる美しい景色は圧巻です。一方で、扉の向こうに広がる異世界の幻想的な空間表現も印象的で、現実と非現実の対比が物語に深みを与えています。

 

日本各地の丁寧に描かれた背景美術

前述の通り、宮崎、愛媛、岡山、神戸など、日本各地のロケーションが物語の舞台として登場します。それぞれの土地の自然や街並み、生活風景が丁寧に背景美術として再現されており、まるで実際にその場所に立っているかのような臨場感が味わえます。監督が各地を訪れ、そこに暮らす人々の思いを映画に込めたことで、リアリティのある美しい景色が生まれています。

 

「ことば」と「想い」の象徴としての扉

作中に登場する「扉」は、現実と異世界をつなぐ象徴的なモチーフとして機能しています。扉の向こうには、人々の記憶や感情、無意識の世界が広がっており、それは地震によって失われた大切なものの喪失と再生を表しているようです。

また、扉は隠したい真実から目を背ける「綺麗事」の象徴でもあります。草太とすずめが扉を閉じる行為は、現実から逃避するのではなく、真実と向き合うことを意味しています。

 

クライマックスの盛り上がりと感動

物語の終盤、ミミズを巡る戦いは最高潮を迎えます。すずめと草太、そしてダイジンの三人が力を合わせて災厄に立ち向かうシーンは、アクションとドラマが見事に融合した映画の見せ場となっています。

そしてクライマックスで明かされる草太の覚悟と、すずめの決断の先にある感動の結末は、全編を通して丁寧に積み重ねてきた感情が一気に爆発する瞬間です。

 

RADWIMPSの主題歌とリンクする演出

『君の名は。』『天気の子』に続きRADWIMPSが音楽を担当しており、本作では作曲家の陣内一真さんも参加しています。

主題歌「すずめ feat.十明」や「カナタハルカ」の他、劇伴や挿入歌が、すずめと草太の心情を表現し、物語のテーマを盛り上げています。

 

▼主題歌 RADWIMPS「すずめ feat.十明」

 

 

▼RADWIMPS「カナタハルカ」

 

 

▼RADWIMPS - Tamaki

 

 

音楽と映像の幸福なコラボレーションも、本作の大きな魅力です。例えば、芹澤朋也の車内で流れる懐かしのJ-POPは、シリアスな旅の中で観客に安らぎを与え、作品の雰囲気を明るく保つ役割を果たしています。

これらの見どころを意識して鑑賞することで、『すずめの戸締まり』が単なるアニメ映画ではなく、深いメッセージが込められた作品であることがより明確になります。

作品の感想とレビュー

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『すずめの戸締まり』は、その公開以来、多くの観客から様々な感想やレビューが寄せられています。特に、新海誠監督の過去作と比較して、震災というテーマに深く踏み込んでいる点が高く評価されています。

ポジティブな感想としては、まず映像美が挙げられます。新海監督ならではの緻密で美しい背景画や、ダイナミックなアクションシーンは、多くの観客を魅了しました。

特に、ミミズの描写や常世の風景は、想像力を掻き立てられると好評です。また、RADWIMPSによる音楽も、物語の感動を一層深める要素として評価されています。「物語に集中できた」「感情を揺さぶられた」といった声が多く聞かれます。

一方で、一部の観客からは異なる意見も出ています。震災というデリケートな題材を扱っているため、緊急地震速報のアラート音や地鳴りといったリアルな描写が、過去のトラウマを想起させ、鑑賞が辛かったという声も存在します。

また、物語の展開や一部のキャラクターの行動に対して、「難解な部分があった」「感情移入しにくかった」といった意見も見受けられます。

例えば、鈴芽の行動が「自分勝手」に感じられるという指摘や、物語の結末が「すっきりしない」という感想もあります。しかし、前述の通り、これは新海監督が意図的に残した「余白」であり、観客が自ら考察し、作品に深みを見出すための仕掛けでもあります。

全体として、『すずめの戸締まり』は、観客に多くの問いかけを投げかける作品であり、一見しただけではすべてを理解しきれない複雑さを持っています。

しかし、その分、何度も見返すことで新たな発見があり、より深い感動を味わえるという点が、多くのファンに支持される理由の一つとなっています。

一部で「意味がわからない」と言われる理由は?

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『すずめの戸締まり』を観た一部の観客から「意味がわからない」という声が聞かれることがあります。これには複数の理由が考えられます。

まず、物語の序盤から終盤にかけての展開が矢継ぎ早に進むため、観客が物語の論理的な繋がりを捉えきれないまま進行してしまうことがあります。

特に、死者の記憶、封印、災害、魂の救済といった重く抽象的なテーマが断片的に提示されるため、感覚的に物語を追うことはできても、その深層を理解するのが難しい場合があります。

次に、セリフや説明が少ないことも理由として挙げられます。新海誠監督の作品は、登場人物の感情や世界観を映像や空気感で伝える手法を多用しています。

例えば、草太がなぜ閉じ師という役目を引き継いだのか、常世に閉じ込められた後の時間の流れなど、観客の想像力に委ねられている描写が多いです。また、椅子に変えられた草太の行動やダイジンの行動原理も、明確な説明がされないため、唐突に感じられることがあります。

さらに、「ファンタジーと震災」という重層的なテーマの難しさも影響しています。物語は架空の災いであるミミズを封じるという神話的な形式で進みますが、その舞台の多くは東日本大震災の被災地であり、地震や津波によって失われた命と記憶に密接にリンクしています。

この現実と虚構の二重構造が、観客の認識を揺さぶり、「これは何を描いているのか」という混乱を生むことがあります。特に、震災を直接経験した人にとっては、作品を通じて心の傷が刺激される場合もあり、単なる娯楽として受け取れないという感情も生まれやすくなっています。

また、「後ろ戸」「常世」「戸締まり」といった物語の中核を成す概念が、現代人にとって日常的ではないため、直感的に理解しづらいことも大きなハードルとなっています。これらは古代日本の死生観や、境界を大切にする思想にルーツがあり、宗教的・民俗学的なリテラシーがないと、物語の深部に触れにくくなる可能性があります。

これらの理由から、『すずめの戸締まり』は一度の鑑賞ではすべてを理解しきれない部分が多く、それが「意味がわからない」という感想につながっていると考えられます。

しかし、これは監督が意図的に「わかりにくさ」を組み込んだ結果であり、再鑑賞を通じて新たな発見がある作品であるとも言えるでしょう。

映画での謎は文庫本で解決

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映画『すずめの戸締まり』を鑑賞し、「もっと深く理解したい」「あのシーンの意味は何だったのだろう」と感じた方は、新海誠監督自身が執筆した原作小説や関連書籍を読むことで、多くの謎や疑問を解決できます。映画では時間の制約上、描かれなかった登場人物の心情や背景、物語の細部が小説版には詳細に記述されています。

特に、登場人物の内面描写は映画よりも豊かです。

例えば、草太が閉じ師としての家業を継ぐことになった経緯や、要石になることへの葛藤、鈴芽に対する複雑な感情などが、小説ではより深く掘り下げられています。

また、環が鈴芽を引き取った際の心情や、二人の間に生じる溝の具体的な描写も、小説を読むことでより明確に理解できます。前述の通り、映画では暗示にとどまった関係性の深層が、小説では明確にされています。

ダイジンの行動原理や、彼がなぜ草太を椅子に変えたのかという点についても、小説版ではその動機がより丁寧に描かれています。ダイジンが「鈴芽の子になりたかった」という願いは、映画でも示唆されますが、小説ではその感情の揺れ動きが詳細に記述されており、彼のキャラクターに対する理解が深まります。

さらに、映画では明確に語られなかった「常世」の世界観や、「後ろ戸」の成り立ち、そして要石の歴史といった、物語の根幹をなす設定についても、小説版で補完される情報が多くあります。

例えば、古文書に記された過去の要石に関する記述は、映画だけでは見過ごされがちな重要な伏線となっています。

このように、原作小説は映画の「補完」として機能し、観客が抱いた「意味がわからない」という疑問に対して、新たな視点と深い考察のヒントを提供してくれます。

映画の後に小説を読むことで、物語の解像度が上がり、一度では気づかなかったメッセージや伏線を発見できるでしょう。

配信サイトはどこで見れる?

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『すずめの戸締まり』は、劇場公開後、複数の動画配信サービスで配信されており、自宅で手軽に鑑賞することが可能です。視聴方法や料金体系はサービスによって異なるため、ご自身の利用状況に合わせて選択することをおすすめします。

現在、主要な配信サイトは以下の通りです。

サービス名月額料金(税込)無料期間特徴
DMM TV550円14日間アニメ作品が豊富、550ポイント付与
U-NEXT2,189円31日間見放題作品数トップクラス、600ポイント付与
TSUTAYA DISCAS2,200円(定額8)30日間DVD宅配レンタル、旧作・ジブリ作品も豊富
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Hulu1,026円なし日テレ系ドラマ・番組が豊富
ABEMAプレミアム580円/1080円なしABEMAオリジナル番組が多数
Disney+1,140円/1,520円なしディズニー作品が充実、オリジナルコンテンツも

多くのサービスでは無料トライアル期間を設けており、この期間中に付与されるポイントを利用したり、見放題作品として視聴したりすることで、実質無料で『すずめの戸締まり』を鑑賞できる場合があります。

例えば、DMM TVやU-NEXTは、無料期間中に付与されるポイントでレンタル作品を視聴することが可能です。

また、TSUTAYA DISCASのような宅配レンタルサービスも選択肢の一つです。配信では見られない旧作や特定の作品もレンタルできるため、幅広いコンテンツを楽しみたい方には有利です。

ただし、無料お試し期間中に新作がレンタルできない場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

漫画版や関連書籍も電子書籍サービスで読むことができます。U-NEXTやDMMブックス、ebookjapanなどでは、ポイント利用や割引クーポンを活用してお得に購入することも可能です。

このように、映画『すずめの戸締まり』は様々なプラットフォームで提供されており、ご自身のライフスタイルや視聴環境に合わせて最適な方法を選ぶことができます。

『すずめの戸締まり』あらすじまとめ

『すずめの戸締まり』は、新海誠監督が東日本大震災というテーマに正面から向き合った作品です。

  • 物語は17歳の少女、岩戸鈴芽が不思議な扉と出会うところから始まります。
  • 災いをもたらす「ミミズ」を封じるため、鈴芽は閉じ師の宗像草太と旅に出ます。
  • 旅の途中で草太は要石に姿を変えられ、鈴芽は彼を救うためさらに奮闘します。
  • 宮崎から始まり、愛媛、兵庫、東京、そして東北へと舞台が移り変わります。
  • 物語の舞台となる場所の多くは、実在する被災地やその周辺地域がモデルとなっています。
  • 新海監督は震災の記憶を風化させないために、本作で直接的に震災を描きました。
  • ダイジンは鈴芽に愛されたいという純粋な願いを持つ、元要石の猫です。
  • ダイジンは物語の進行において重要な役割を果たし、時に鈴芽を翻弄しながらも導きます。
  • 登場人物たちはそれぞれが深い背景を持ち、鈴芽と環、鈴芽と草太、鈴芽とダイジンの関係性が物語の核となります。
  • 作品には美しい映像美とRADWIMPSによる感動的な音楽が融合しています。
  • 一部で「意味がわからない」と言われるのは、抽象的なテーマや説明の少なさが原因です。
  • 原作小説や関連書籍を読むことで、映画では語られなかった謎や心情がより深く理解できます。
  • 聖地巡礼を通じて、映画の世界観をよりリアルに体験することができます。
  • 多くの動画配信サービスで配信されており、自宅で手軽に視聴することが可能です。
  • この作品は、喪失と再生、そして未来へ進むことの大切さを教えてくれます。

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